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アセトアミノフェンで肝障害が起こる理由|看護

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カロナール等、臨床でもよく目にするアセトアミノフェン

副作用も少なく比較的使用しやすいお薬ですが、重要な副作用に肝障害があります。

私も新人の頃は、NSAIDSの腎障害とごっちゃになってしまいよく理解できていませんでした。

よく使うお薬は特に、しっかり理解したうえで投与できたら安心ですね。

なぜ、アセトアミノフェンの過量投与で肝障害が起こるのか、そのメカニズム(作用機序)と看護について簡単にまとめます。

 

読者の疑問

アセトアミノフェン中毒の原因は?

アセトアミノフェンで肝障害が起こる理由、作用機序は?

図で知りたい。

アルコール多飲者や低栄養でリスクが高いのはなぜ?

アセトアミノフェン肝障害の検査値はどこを見ればいい?

基準値は アセチルシステインを肝臓の解毒に使うのはなぜ?

看護実習で突っ込まれたけどよく分からない

 

などの疑問にお答えします!

 

 

アセトアミノフェン代謝経路

アセトアミノフェンの副作用で肝障害がある理由は、代謝をみれば一目瞭然です。

 

アセトアミノフェンは、常用量では肝臓でグルクロン酸抱合(60%)、硫酸抱合(35%)で、代謝・排泄されます。

一部は、チトクロームP450(主にCYP2E1)にて代謝され、N-アセチルーp―ベンゾキノンイミン(NAPQI)を生成し、NAPQIは肝細胞でグルタチオン抱合を受け、排泄されます。

このNAPQIが、肝臓に対して強い毒性を持つのです。

 

アセトアミノフェンの過量投与で肝障害が起こる理由

アセトアミノフェンの過量投与で肝障害が起こる理由は以下の通りです。

アセトアミノフェンの過量投与

 ↓

グルクロン酸抱合と硫酸抱合の処理能力を超える

 ↓

チトクロームP450で代謝されるようになる

 ↓

NAPQIがたくさん増える

 ↓

グルタチオン抱合の処理能力が限界になる

 ↓

排泄できずNAPQIが肝臓に蓄積されたままになる

 

注意すべき人

薬物毒性による副作用は、投与量が多く、投与期間が長いほどリスクが高いので注意が必要です。

アルコール多飲者低栄養アセトアミノフェンでの肝障害が起こりやすいです。

アルコール多飲者の場合

NAPQIを多く作るCYP2E1の働きが強くなり、無毒化が間に合わずに肝障害が現れやすい。

低栄養の場合

絶食や低栄養、摂食障害によるグルタチオン欠乏からNAPQIが蓄積され肝障害が現れやすい。

 

1500mg/日をこえて長期間投与する場合は、定期的な肝機能検査が必要です。

緩和医療では、2400~4000mg/日、4~6時間あけての投与が妥当です。

 

肝機能検査データ
  •  AST(GOT)

肝障害により肝細胞が壊れると、値が上昇する。

心筋、骨格筋、赤血球中に多く含まれる。

基準値:7~38IU/L

  •  ALT(GPT)

肝障害により肝細胞が壊れると、値が上昇する。

主に肝臓中に存在。

基準値:4~44IU/L

たんぱく質を分解する酵素で、肝臓、腎臓、膵臓の細胞に含まれる。

障害が起こったり、肝・胆道系に閉塞があったりすると血液中に流れ出る。

基準値: 男性50IU/L以下 女性30IU/L以下

 

治療

解毒剤として、グルタチオンの前駆物質であるアセチルシステインを用いる。

不快臭、刺激臭があるため、コーラ、グレープジュース、オレンジジュース、水で5%溶液にして経口投与

過量投与から12時間以内に治療を開始すると最も効果的。24時間でもある程度は有効。

24時間以内に開始できない場合は、血液透析や血液還流を行う。

 

まとめ

  • アセトアミノフェン長期投与では肝障害に注意
  • 肝毒性の強いNAPQIが蓄積されて肝障害になる
  • 高リスクな人は特に検査データを確認しよう