看護学生の実習先や、患者さんの持参薬などで血液サラサラのお薬、ワーファリン(ワルファリン)とバイアスピリンはよく目にします。しかし、その違いを理解している人は少ないのではないでしょうか?
今回はそんな抗血栓薬である二つのお薬の作用機序やメカニズムについて、血栓の病理をふまえつつ簡単に説明します。
止血とは
抗血栓薬を理解するには止血の機序を簡単に理解しておく必要があります。
血液凝固因子の中でも第Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ因子は、肝臓で合成の際にビタミンKを必要とします。
『ビタミンKはにくなっとー』 で覚えよう!
2つの抗血栓薬の違いは?
バイアスピリン
抗血小板薬で、一次止血を起こしにくくする。
動脈硬化がすすみ血管の内側にプラークが発生すると、血小板が集まり血栓ができる。
動脈は流れが速いので、赤血球などの大きいものは固まる前に流れてしまう。
白色血栓の原因:白色血栓は生活習慣病からできる。糖尿病、高血圧、脂質異常症など。
赤血球は流れてしまうので、白色血栓は小さめだよ
ワーファリン(ワルファリン)
血管の滞りを改善する薬。抗凝固薬で二次止血を起こしにくくする。
血流不良から凝固因子が働き血栓を形成する。
大きな赤血球と血液凝固因子が絡み合うと、さらに大きな塊(=赤色血栓、静脈性血栓)ができ、太い血管を詰まらせる。心臓や脳の大血管につまると、突然死の恐れも。
原因:血流のうっ滞、凝固機能亢進、凝固防止機能低下
心臓でできた赤色血栓が脳の血管を詰まらせることを心原性脳塞栓症という。
予防はワーファリンを使用しますが、発症したら速効性のある点滴ヘパリンを使用します。
ワーファリンとバイアスピリンの併用リスク
それぞれの単独使用よりも、1.75倍の出血リスク。
脳出血などの致命的な出血リスクが高くなるため、脳血管領域では基本的にはどちらか1つを選択。
しかし心筋梗塞などで冠動脈にステント留置後は、厳密に赤色血栓か白色血栓を分けられないこと、心筋梗塞は死亡率が高いことから両方選択することもある。
まとめ
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