今回は血液培養(血培)についてのお話です!
無菌操作が必要なことや突然の嫌気性菌、好気性菌の出現に戸惑う新人看護師さんもいるかと思います。
また、多くの手順では2人での実施が推奨されていますが、現場は人手不足で1人で実施せざるを得ないこともあるかもしれません。
そんな新人看護師さんやブランクあり看護師さんに向けて、1人で実施する血液培養の手順や注意点、ボトルが2セット必要な理由について解説します!
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血液培養とは
血液培養とは、採取した血液を液体培地の入ったボトルにいれ、35℃で数日間培養する検査です。
人の血液は無菌であり細菌や真菌は存在しませんが、何らかの理由で微生物が侵入(菌血症)し、生体の過剰な反応をおこすと敗血症となってしまいます。
感染症を疑うときなどに、無菌である血液の中に菌の存在を確認することで原因菌を特定したり、感染症の重症度を予測したりします。
偽陽性があると、不必要な抗菌薬の投与や入院期間延長などのリスクがあるため、無菌操作の徹底と異なる部位から2回採取して予防しましょう。
嫌気性ボトルに空気が入ると嫌気性菌が死んでしまうため、分注時には嫌気性ボトルを先に実施することに注意が必要です。(シリンジに空気が入っている可能性がある。)
1人で実施する血液培養の手順
必要物品
1度で採取できない可能性も考えて、以下よりも余裕を持って持参することをお勧めします。
- 血液培養ボトルラック
- 血培ボトル4本(オレンジ、みどりが2本ずつ)→ラベルを貼っておく。
- 25mlシリンジ2個 ※ロック式ではない普通のシリンジ
- 注射針21~23G 2個
- 滅菌手袋 2個
- 普通の手袋
- 分注ホルダー 2個
- 針捨て容器
- 駆血帯 2本
- アルコール消毒 余裕を持って
- ポピドンヨード消毒 2個(ヘキザック=クロルヘキシジンがあればそちらを使用)
- ビニール袋
- 固定用テープ
準備
- 説明と患者確認
- 手指消毒をして手袋、エプロンを装着
- 血培のボトルにラベルを貼る。
- キャップを取ってアルコール消毒をしておく。
- 滅菌手袋の内側に、シリンジ、針、分注ホルダーを中身に触れないように出しておく。
Point
- 抗生剤は検査結果に影響するため、抗生剤投与前に行う。
- 同じ血管でなければ、同じ腕でもOK
- 点滴中枢側などはNG
- 血培ボトルへの分注の際は、勢いがあるのでシリンジの上を押さえながら実施し、入りすぎないようにする。
- オレンジ(嫌気)が先、緑(好気)が後。=『オレが先』と覚えよう!
- 基本は20ml採血しますが、量が取れない人などは7mlずつの14mlでも検査に送れます。
実際の手順
- 駆血帯をして血管を探す
- 一旦駆血帯を外す
- アルコール・ヘキシジン(ポピドンヨード)で消毒&自然乾燥させる
- アルコール綿と固定用テープ、止血用テープを近くに準備しておく
- 駆血帯を再装着
- 滅菌手袋を装着し、シリンジと針をセットする
- 刺入部に触れないようにしながら20mlを採血する
- 駆血帯を外す
- 針を貼り捨てボックスに捨てる
- シリンジは一旦滅菌手袋の袋においておく。
- 止血する
- 分注ホルダーとシリンジをセットする
- 10mlずつボトルに入れて、静かに混和する。
- どこの血管から採血したかをボトルに記入
- 上記をもう1セットも実施
- 採血後2時間以内に検査に出す
- 記録
まとめ
- 血液培養は菌が死なないよう嫌気性ボトルから分注しよう!
- 偽陽性が起こらないよう無菌操作や2セット取るように気を付けよう
- 細かな手順を頭の中でイメージしよう
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