看護師として働き始めると必ずしも付きまとうのが採血。新人さんや学生さんは忙しいので、とりあえず順番だけ覚えて、なんでその順番で行うのか根拠を理解できぬままに時が過ぎていくこともあるかと思います。
採血スピッツの順番には、スピッツの内容物が大きくかかわってきます。
今回は、採血スピッツの順番の根拠をわかりやすく解説します。
採血のスピッツの順番は?
採血スピッツの色は?
採血スピッツの順番の覚え方は?
シリンジでの採血スピッツの順番は?
採血スピッツの順番の理由は?なぜ?
ダミースピッツを利用するのはなぜ?
EDTAの入った採血管は?
フッ化ナトリウムの入った採血管は?
血清分離剤の入った採血管は?
クエン酸ナトリウムの血液凝固について知りたい
スピッツ内容物の知識
EDTA(エチレンジアミン四酢酸)
カルシウムを除去して凝固を防ぐ。
血液が固まる時にカルシウムイオンが必要。
カルシウムイオンを他のものと組み合わせて凝固を防ぐが、そのペアの相手がEDTA。
血算スピッツ(紫)に入っているあの白い粉です。
血算(全血球計算)
赤血球、白血球、血小板、Hb、Htの数や大きさがわかる
クエン酸ナトリウム
透明の液体。カルシウムを除去するが、その作用はEDTAより弱め。
凝固系検査(黒)に用いられる。
血液:クエン酸=9:1となることが重要。
3.2%クエン酸ナトリウム溶液を0.2ml入りの採血管に血液1.8mlを入れるのが一般的です。
ちなみに血沈検査に用いられるときは血液:クエン酸=4:1。
凝固スピッツ(黒)と血沈に書いてある線くらい血液を採取することが大切!(多すぎても少なすぎてもダメ)
血沈
血液中の赤血球が沈む速度を調べ、炎症の有無を判断する。
フッ化ナトリウム
血糖スピッツ(グレー)の白い粉。
血液中のブドウ糖は、解糖系酵素エラノーゼによって解糖され、放っておくと血糖値は下がってしまう。(1時間で7%の速度で糖がなくなる)
フッ化ナトリウムは脱カルシウム作用を持つ抗凝固剤、エラノーゼ阻害作用がある
=血液が固まりにくく、血糖値も保たれる。
ただ、解糖阻止効果発現に3時間を要するため、今後変わっていくかも!?
血糖
凝固促進剤
生化学スピッツに入っている丸いフィルムに入っている。
生化学
血清分離剤
生化学検査の下の方にたまっている半透明の塊。
血液は30分で自然と凝固し、液体(血清)と沈殿物(血餅)に分かれる。
それを早める効果がある。検体として血清だけが欲しいときに使用される。
組織液とは
細胞間にある液体成分。毛細血管から血漿が漏出したもの。
血漿とは血液から血球(白血球、赤血球など)を取り除いた成分。
たんぱく質、ブドウ糖、脂質、金属イオン、電解質、ホルモン、ビタミンを含む。
多種の血液凝固因子を含むたんぱく質が含まれている。=血液を固まらせる。
採血をすると、針を刺した瞬間には組織液が混ざる。
最初に凝固スピッツを取ると、血液が固まりやすくなり、検査値に影響を与える。
ちなみに、血清は、血球・凝固因子以外の成分。全血は、採ったそのままの血を言うよ。
採血スピッツの順番
シリンジ採血
シリンジ採血は、一旦血液を全て採った後でスピッツに分けるので、組織液の影響は無視できる。
シリンジ採血では凝固しないように、いち早く採血管に分注して抗凝固剤と混ぜる必要がある。凝固してほしくない順番で採血する。
凝固→血算→血糖→生化
真空管採血
凝固を先に取ると、組織液が混入して血液が固まってしまうことから、凝固しても問題がない生化スピッツを1本目に取る。
逆に、最後の方も血液の流れがゆっくりになり、凝固しやすくなるため、凝固スピッツを最後の方に取ることも避ける。
1本目:凝固しても差し支えないもの
2本目:凝固検査
3本目以降:凝固したら困る順
生化→凝固→血算→血糖→その他
凝固のみの場合はダミースピッツを使用
凝固のみの採血の場合は、組織液混入予防のためダミースピッツで、最初の血液を採った後に凝固スピッツで採る。
翼状針を使うときはチューブ内のデッドスペースに注意
チューブには0.45mlの空気が入っているため、採血量が足りなくなることがある。
適切な採血量が必要な凝固スピッツは、ダミースピッツによってチューブを血液で満たした後で、採るようにする。
まとめ
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