輸血を行うまでの間には、副作用が起きないようにたくさんの検査が行われて、たくさんのチェックを受けています。
しかし、日々の業務の中で覚えることがたくさんあり、なかなか検査について深く学習していくのは難しいですよね。
今回は、新人看護師さん、看護師国家試験を控えた看護師さん向けに輸血前の検査について、これだけ理解しておけば8割がた大丈夫!という内容になっています。
輸血前の検査には①血液型の検査、②不規則抗体スクリーニング、③交差適合試験(クロスマッチ)の3つがあるので、そちらを解説していきます。
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輸血前の検査について大まかに知りたい!
違う血液型を輸血するとどうなるの?
交差適合試験・クロスマッチとは?わかりやすく教えてほしい
クロスマッチの採血が別々の理由は?
クロスマッチ採血のタイミング 不規則抗体とは?
不規則抗体スクリーニング検査って?
ABO血液型、Rh血液型とは?
輸血前に行う検査
血液型の検査
赤血球の血液型は、300種類あり、その中でも重要なのがABO血液型、次に重要なのがRh血液型です。
ABO血液型
ABO血液型はAとBの抗原からなり、その組み合わせでA、B、O、ABの4種類となります。
赤血球にAがついているとA型です。
そして血清中には、自分がもっていない抗原と反応する抗体が存在します。
血液型 |
A |
B |
AB |
O |
抗原 |
A |
B |
AとB |
なし |
抗体(攻撃) |
抗B抗体 |
抗A抗体 |
なし |
抗A抗体 抗B抗体 |
オモテ試験:患者の赤血球の抗原を調べる
ウラ試験:患者の血清中の抗体を調べる
抗体は異物を排除しようとする物質なので、異なる血液型を輸血すると抗体が血液製剤の赤血球を攻撃し、体内で大量の赤血球が破壊されることになります。間違いがないよう、異なる時に採取した2つの検体で、オモテとウラがどちらも一致したときにはじめて、血液型が確定します。
Rh血液型
Rh血液型には、54種類の抗原があり、その中でもDが重要です。
赤血球にDを持つ人が、Rh+、持たない人がRh-となります。
Rh陽性にRh陰性の血液を輸血するのはOKだが、その逆はNGです。
もしRh陰性の人にRh陽性の血液を輸血すると、体内で抗Rh抗体が産生されます。
初回の抗体は少ないため問題となりませんが、次回もRh陽性の血液が輸血された時、大量の抗体が産生されて凝集反応を起こします。
Rh-母体と、Rh+胎児でも同様のことが起こるため、Rh-女性は2回目の妊娠で流産や、重症の黄疸を伴うことが多いです。
RhDは、規則抗体はないため、オモテ試験のみ実施する。
不規則抗体検査
人の赤血球はたくさんの血液型があり、全く同じ血液型の血液を輸血することはほとんど不可能です。不規則抗体があると、輸血で副作用を起こすことがあるため、不規則抗体の有無を事前に調べます。
不規則抗体って?
規則抗体:ABO血液型で見られる抗A抗体、抗B抗体のこと。
不規則抗体:ABO血液型以外の血液型に対する抗体のこと。Ex)抗D抗体
不規則抗体を有する日本人は0.5%未満と言われ、ほとんどの人は保有していません。
しかし、自然抗体として元から保有している場合や、輸血や妊娠が原因で産生(免疫抗体)した場合があります。
不規則抗体に反応する赤血球を輸血すると、抗原抗体反応が起こり、輸血した赤血球が破壊されて副作用をひきおこします。
交差適合試験(クロスマッチ)
不規則抗体を持っていると、輸血用の血液と反応して副作用を起こすことがあります。
そこで、輸血用の血液製剤と患者の血液を試験管内で混合させて、抗原抗体反応の有無を調べます。
以下を実施し、凝集や溶血がなければ安全に輸血ができます。(=主試験、副試験ともに陰性)
主試験:患者の血清と、供給者の血球を混ぜる
副試験:患者の血球と供給者の血清を混ぜる
※赤血球製剤の血漿はほとんど除去されているため、副試験は省略可能。
まとめ
- 血液型は別々に採取した検体で、2つの検査を行った結果一致した時初めて確定する。
- Rh-の人にはRh-の血液型を輸血する。
➡輸血投与時は、必ずABOとRh血液型が一致するかを確認!
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