臨床でもよく利用されるGI療法についてまとめました。
インスリンの作用を正しく理解していないと、血糖コントロール目的かしら?なんて勘違いすることもあるかもしれません。
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GI療法ってなに?
ブドウ糖もインスリンも、拮抗する作用を持つものを同時に入れるのはなんで?
投与方法は?
GI療法中の観察項目は?
低血糖症状の覚え方を知りたい
国家試験に向けて理解を深めたい
GI療法とは
GI療法(グルコース・インスリン療法)とは、高カリウム血症に対して、インスリンとブドウ糖を同時に投与して血液中のカリウム濃度を下げる治療法。
ここでおさらい
カリウムとは
基準値は3.6~4.9mEq/l
細胞内液の陽イオンの主成分。
酸塩基平衡・浸透圧の維持を行う。
筋収縮・神経伝達に重要な役割(特に心筋)
高カリウム血症とは
血液中のカリウム濃度が5mEq/Lを超えた状態
6.5mEq/L以上では、重篤は不整脈を引き起こし、致死的となる。
インスリンとは
血中のブドウ糖とカリウムを同時に細胞内に取り込み、血糖値を下げる作用がある。
つまり、カリウム濃度を下げる目的で高カリウム血症の患者さんにインスリンを投与するけれど、インスリンには血糖値を下げる作用もあるため、ブドウ糖で同時に低血糖予防をしているという訳です。
投与方法
静脈注射や点滴注射が主。繰り返しK補正が必要なら中心静脈注射を行うことも。
GI療法では、ブドウ糖5%(血漿浸透圧と同じ)よりも浸透圧が高い10%ブドウ糖が使われることが多いため、血管炎を起こすリスクがある。(浸透圧比2倍)
※末梢静脈から投与できるのは、浸透圧比の3倍以下。
血管炎の起こしやすさは、「浸透圧✖投与時間」で決まるため、ゆっくり投与が原則。
※インスリンはハイリスク薬なので、要Wチェック。
浸透圧とか5%ブドウ糖とかなんだっけ?と思った方は、こちらの記事で復習できます。
観察項目
GI療法の仕組みがわかればおのずと観察項目も見えてきますね。
低血糖症状
発汗、頻脈、振戦、動機、意識障害
カリウム変動に伴う症状
高K血症・・・脱力感、四肢の痺れ
低K血症・・・四肢緊張低下、全身倦怠感、周期性四肢麻痺
心電図波形の観察
高K血症・・・P波消失、QRS延長、テント状T波
低K血症・・・ST低下、T波の平定化、U波増高
血管痛の有無
浸透圧比が高い薬液の投与であるため、ゆっくり投与しよう。
低血糖症状の覚え方。(看護師国家試験にもでるよ)
※糖尿病患者では腎機能低下も予測されるため、カリウム値には要注意!
まとめ
- GI療法は高カリウム血症の治療
- GI療法中は血糖値に注意
- 血管痛が起こりやすいため静脈注射はゆっくりと
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