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注射・採血時に注意すべき神経走行をわかりやすく解説|看護

看護師をしていれば採血や注射は頻回に実施することがある基本的な技術です。しかし、神経や血管の図をみて勉強しても、何がどうなっているのかイメージできず、結局何に気を付ければいいのか理解が曖昧なままに実施している人もいるのではないでしょうか?

 

そんな看護師さんや、看護学生さん(医療学生さん)に向けて、採血や注射時に注意すべき神経走行と、安全に実施するための具体的な対策についてお伝えします!

目次から見たいページに飛べるので、お急ぎの方はご活用ください。

読者の疑問

注射・採血時に注意すべき神経走行を知りたい

点滴で起こりやすい神経損傷の部位は?

採血部位の優先順位が知りたい!

採血で指先が痺れる原因は?

採血で避ける部位は?

採血や注射で神経損傷すると修復期間はどのくらい?

神経損傷の症状は?治るの?

痛みや痺れを訴えた場合はどうすればいい?

尺骨神経、橈骨神経、正中神経、内側前腕皮神経の走行図、解剖が知りたい

 

 

はじめに

注射・採血時の神経損傷って?

はじめに、注射や採血をすると稀に神経損傷が起こることがあります。針を刺した時に、「痛みや痺れはないですか」と聞きますよね。あれは、神経損傷の有無を確認しているわけです。

具体的には、疼痛、感覚異常、運動機能異常といった症状があります。

 

神経の情報伝達の仕組み

神経損傷を理解するには、神経の情報伝達の仕組みがわかると理解が深まります。

有髄神経線維の図を書いてみました。

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中心には神経細胞からの情報を抹消に伝える軸索、まわりには円筒状に取り巻く髄鞘(ミエリン)、髄鞘がところどころくびれて消失している部分をランビエの絞輪と言います。

神経の情報伝達は、ランビエの絞輪から絞輪をジャンプするように伝わるので(跳躍伝導)、髄鞘のない無髄神経よりもスピーディーに情報を伝達できるわけです。

 

神経損傷の修復期間は?

髄鞘を損傷すると1日、軸索を損傷すると週~月単位で症状が持続します。

ほとんどの人は3ヶ月以内に症状は消失しますが、稀に症状がなくならないことがあるのが、怖いところです。

 

採血・注射時に注意すべき神経走行

正中神経

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神経損傷で一番多い部位です。

正中神経は上腕では深い所にあるため、よっぽど垂直に刺さなければ神経損傷することはないでしょう。しかし、肘窩では静脈とかなり密接しているため注意が必要です。

肘窩付近では、尺側皮静脈よりの、肘正中皮静脈の間にあります。

 

採血時に、尺側皮静脈(まれに肘正中皮静脈)で逆血がなく、さらに針を進めてしまう場合に注意が必要です。

Point
  • 尺側皮静脈と肘正中皮静脈で逆血がなければ、針を深く差し込まない
  • できるだけ浅い角度で穿刺する。(20°以下)
  • 肘の浅い部分に血管が見つからなければ、前腕や手背の静脈を狙う

採血時の針の角度は10~20度です。

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正中神経が障害されると、前腕の回内、前腕の屈曲ができなくなります。

また、母指、示指、中指で末節と中節での屈曲の動きができず、グーを握りたくてもできない猿手が特徴的です。

 

橈骨神経

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他に血管がない場合、太くて狙いやすい前腕撓側皮静脈でルート確保を行うことがあり注意が必要です。

肘の部分では深い位置にありますが(橈骨神経深枝)、手首の撓側では浅いところを通っています(橈骨神経浅枝)。密着をしていませんが、近くに動脈と静脈の走行があるため注意が必要です。

 

Point
  • 刺入部位はできるだけ中枢側にする(肘に近いほう)
  • 逆血が返ってこなければ、深く刺入せず針先で血管を探さない

 

母指、示指、中指の背中枢側の運動機能に障害が起き、手首が背屈できなくなり、下垂手となります。

 

尺骨神経

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ルート確保する際、他に血管がない場合に上腕内側の尺側皮静脈を狙うことがありますが、近くに尺骨神経が走行しているため注意が必要です。

 

Point
  • 逆血が返ってこなければ、深く刺入せず針先で血管を探さない

 

肘をぶつけた際に指先に痺れる感覚があるのがわかりますか?

それが尺骨神経です。尺骨神経障害では、小指、環指(薬指)の屈曲、手首の屈曲、指の内外転運動が障害され、鷲手が特徴的です。

 

内側前腕皮神経

尺側皮静脈の上を通っているため刺した瞬間に症状が出現する。

上腕や肘窩の尺側皮静脈を狙った際に、損傷する恐れがある。また、肘正中皮静脈を狙った際深く刺しすぎるとリスクあり。

 

この神経は指先の支配はないため、これまでのような猿手、下垂手、鷲手など特徴的な症状はない(指先の痺れや痛みの症状は出ない)が、前腕内側が障害されます。

 

痛みや痺れを訴えたら

すぐに抜針して、10~30分経過しても痛みが緩和しない場合は医師の診察が必要です。

 

神経損傷の確率は10000分の1くらいですが、1日5回×月20回注射や採血があるとすれば、8~9年臨床で働いていると1度は神経損傷リスクがある計算です。

恐れすぎず、正しい知識を身につけてリスク回避に努めましょう!

 

まとめ

  • 手首に近い撓側皮静脈、肘窩や上腕の尺側皮静脈付近は神経が通っているため、注射・採血は避けよう。
  • やむを得ず狙う場合は、深く刺しすぎず、逆血がなければすぐに諦めること。
  • 内側前腕皮静脈は、針を刺した瞬間に、前腕内側に症状が出現する。

 

採血や注射時に気を付けるべき神経走行がわかったら、次は以下の記事で学習してみよう!

 

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