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頭頚部J-VACドレーンの排液の破棄方法や観察を知りたい|看護

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こんにちは。コワニブログです。

外科病棟で勤務したり、実習へ行く機会があったりするとJバックドレーンを目にすることがあるかもしれません。本日は一般的なJバックドレーンの基本的な管理と頭頚部手術後のJ-VACドレーンの観察について簡潔に説明していきます!

 

読者の疑問

J-VACドレーンって?

ドレーンの観察項目や看護は?

排液の破棄方法は?

陰圧のかけ方や確認方法は?

 

 

頭頸部ドレーンの目的

術後血腫の予防

腹腔や胸腔のように十分なスペースのない頭頚部では、少量の出血でも血腫が生じやすく、血管の圧迫により静脈還流障害を引き起こし、咽頭喉頭粘膜の浮腫をきたし、気道閉塞から窒息死や低酸素脳症を引き起こす可能性がある。血液を予防的ドレナージにより体外へ排出し血腫の形成を防ぐ。

            

死腔の予防

腫瘍の摘出やリンパ節郭清により組織が切除された部位や血腫が生じた部分には空洞(死腔)を生じ、血腫や感染の原因となる。さらに感染が頸動脈周囲に波及すると血管破綻を起こし致死的になる。

陰圧がかかると死腔を生じず、皮膚は残存組織の表面を覆うように治癒する。

 

放射線治療を過去に受けていた場合は、血管壁が脆弱になっているため注意しよう。

 

ドレーンの観察項目

陰圧がかかっているか

ドレナージ効果が不十分だと、創部が腫脹して縫合部や刺入部からの血液漏出がみられることがある。

エアリークがあるとバック内部に空気が充満して陰圧を保持できなくなる。

排液が充満しても陰圧がかかりにくくなるため、排液破棄後に陰圧をかけることを忘れないように。

 

オペ後は陰圧のことが多いが、自然排液がある場合はあえて陽圧にする場合もあるため、オペからの帰室時には確認しよう。

 

ちなみにコワニブログはあえて陽圧で使用するパターンは見たことがありません。

ドレーンの固定

屈曲・折れ・抜けはないか。

術後歩行時に引っ張られて抜けないように、ドレーンの袋を首からぶら下げて、そこにドレーンを入れて活動します。

また、ガーゼ保護をしている手術当日は抜けているかどうか刺入部を観察できないため、安静解除される翌日からは目視で確認できるよう透明のフィルム(サージットP)で保護することが多いです。

 

排液量・性状

24時間で10mLが抜去の目安。

術後2~5日で抜去可能。

正常:血性→数時間から1日で淡血性→その後淡黄色透明(漿液性)

次第に血液成分が減少し、手術の変化で浸出液が増えるためだんだんと薄い色になる。

異常:膿性→感染、泡混じりの唾液臭→咽頭瘻孔、大量の黄色透明の排液や乳白色の排液はリンパ管損傷を疑う。

 

乳びとは

リンパ管が損傷した状態で食事が再開されるとリンパ液の中に、腸管で吸収された脂肪が含まれるために白濁した性状を呈する。この場合、禁食、創部圧迫や手術が必要となる。

 

一般的には1時間に100mL以上の排液で術後出血が疑われ再開創が必要とされる目安になる。頸部術後は、胸腔や腹腔のようにスペースに余裕がないため、さらに少ない量でも血腫を形成し急速に窒息に至る可能性があるため、排液量と呼吸状態を観察しよう。

 

排液量はオペ当日から徐々に減っていくが、麻酔覚醒による血圧上昇や、翌日からは活動量が増えることによって、十分吸引できなかった術部の貯留液が急に出てきて、一時的に量が増えることも!

 

皮膚の観察

創部やドレーン刺入部の発赤、疼痛、腫脹、熱感、浸出液をみて感染徴候を観察する。

 

排液の破棄方法

  1. 排液口を開ける
  2. 目盛りを確認して、本体を傾けて排液をコップなどに捨てる。
  3. アルコール消毒をして排液口をしめる

排液量が少ない場合は、目盛りだとわかりにくいので、排液をコップに入れてシリンジで測定することで正確な量を確認できます。

陰圧のかけ方

四角のスタンダードドレーンと丸型のバルーンドレーンがあります。

スタンダードタイプの中にはスプリングが入っており、排液量が多くなっても一定の陰圧でドレナージが可能であるのに対し、バルーンタイプは排液量が増えると徐々に陰圧がかからなくなるといった特徴があります。

排液を捨てたタイミングで陰圧をかけるようにしましょう。

スタンダードドレーン(スタンダード型リザーバー)の場合

本体の親指マークに両親指をおき、上にずらすように強く押してロック

 ↓

フラップを向こう側に少し折り曲げ、滑ってロックが外れるのを防ぐ(フラップダウン)

 ↓

排液口キャップを閉じる

 ↓

フラップを今度は手前に折り曲げる(フラップアップ)と、ロックが解除され吸引開始

※フラップアップ直後に本体が全部膨らむとエアリークの可能性あり。

 

バルーンドレーン(バルブ型リザーバー)の場合

排液口キャップを閉める前に、本体を握り押しつぶしたまま排液口キャップを閉じる。

押しつぶしていた手を緩めて吸引開始

※手を緩めた直後に本体が膨らみ切ってしまうと陰圧がかかっていないので、もう一度かけ直そう!

 

ドレーン管理上の注意事項

J-VACドレーンのスプリングという部品が金属性なのでMRIはNG!

チューブがシリコン製の場合は傷つきやすいので、ミルキングローラーは使わない。

 

まとめ

  • J-VACドレーンの正常と異常を知って観察に活かそう
  • 呼吸状態には特に注意
  • 検温時には陰圧を確認!